NHKスペシャル 『ゲーム×人類』驚きでした

NHKスペシャル 『ゲーム×人類』〜常識を覆すゲームと人類の新たな営みの最前線に迫る〜
二夜連続放送を見ました。
いやあ、びっくりしたし面白かった!
ゲームとの関わりって以前よくやっていたツムツムとか、今やっているDuolingoもゲームなのかな、
それくらい。
ゲームの世界についてあまり考える機会もなかったので、
この番組は想定外の情報が満載、新しい世界を見た気がしました。
現在、ゲームの市場規模は29兆円、ゲーム人口は30億人に達するそうで、
世界の40%弱の人がゲームを楽しんでいる計算。
e-スポーツがゲームビジネスの牽引役となっていて、番組で紹介されていた
スタープレーヤーの若者は、ブラジルのファベーラ(貧困層が住む地域)出身で
年収5億円超。
ゲーム界のネイマールとも呼ばれているそうで、サッカー選手にならなくても
成功できるという新しい選択肢を示していました。
それに続けと、ファベーラに住む子どもたちの将来の職業として、
ゲームのプレーヤーやプログラマーになれるようサポートをしている団体も
紹介されていました。
一方で、ゲームによる子どもの健康被害や高額課金、DMなどを通しての
ギャングからのリクルートなど負の側面も語られていて。
将来の選択肢が増えて、希望を感じる人がいるのは喜ばしいことだけれど、
自分の子どもが将来ゲームプレーヤーになりたいと言ったら、自分ならどうするか
ちょっと考えたら。
100%賛成という気持ちにはなれなさそうで、ゲームプレーヤーを職業として認めるには
少し時間がかかりそうな自分に気づきました。
個人や小規模なチームが作るインディーゲームの存在も今回初めて知りました。
紹介されていた インドネシア発の「コーヒートーク」は、
カフェのバリスタとして客の悩みを聞きながら飲み物を提供するシンプルなゲームだそうで、
若くして亡くなった開発者の”こんな場所が欲しい”という思いから作られた、
優しくて居心地の良い世界観が若者たちの心をつかんでいるそう。
ゲームを通して交際を始めたり結婚したり、コロナで亡くなった仲間のオンライン上のお葬式に
みんなで集まったり。
これまでゲームの世界をリアルな世界と切り離して考えていた気がするけれど。
想像以上にリアルな世界とリンクしていて、ゲームの種類にもよるのかもしれないけど、
濃密なコミュニケーションが存在していたり、顔が見えない分人間の本質が濃く現れていたり、
ゲームを通じて結婚したという方が言っていた”リアルよりリアル”という意味が
少しわかった気がしました。
また、『変身』などで有名なフランツ・カフカの作品をベースにしたゲームは、
カフカの難解な不条理の世界をわかりやすく伝える役割を担っていて。
ゲームを通じて自分の気持ちが少し軽くなり、これからカフカの本を読んでみようと
思っている若者を見て、知識や情報へのアプローチの仕方がこれからますます
変わっていくんだろうと感じました。
格闘ゲーム「ストリートファイター」の世界大会で、オランダの全盲の選手が初めて勝利をあげ、
専門家が選手を科学的に分析したら、人間の持つ聴覚の潜在能力をゲームが
引き出していることが判明したり、人間の新たな可能性を感じるような、
ワクワクするプログラムでした。