一人暮らしだった母(認知症)の生活実態の把握は難しかったー取り繕い

母が認知症になって2年ほどは離れて住んでいたので、
1日に何度か電話して安否を含め、状況を確認していました。
今のようにビデオ通話が普及していなかったので専ら音声のみ。
認知症が疑われ始めた当初は病院に行くことを渋り、
診断がついても頑として病気を受け入れようとはしなかった母。
当然ですよね、私でも受け入れるのは難しいと思います。
元々プライドがものすごく高かった人なので、
・自分はしっかりしているから生活が全て完璧にできている
・子どもが心配するようなことはしていない
と、自分の状況を取り繕うような事ばかり言っていました。
”ご飯食べたの? → 野菜たっぷりの味噌汁を作って食べてる、栄養満点”
⇨ 実際は菓子パンで済ませることが多かった
”薬は飲んだの? → もちろん飲んでるよ”
⇨ ほぼ服用できておらず棚の奥に隠していた
などなど。
介護認定の時はいつもよりしっかりしていたし、
一見すると普通に生活しているように見えていました。
ゴミの分別ができなくなったので、生ゴミは冷蔵庫に保管していたり、
自分なりの尺度で生活を送っていたようですが、
社会生活のルールに則った生活は厳しいものになっていました。
戸惑ったり途方に暮れたり、困難な場面も多かっただろうに、
電話だけだと母の取り繕いは見抜くのが困難でした。
”正直に言えばいいのに”、”助けを求めてくれたらいいのに”、とは
思いましたが、子どもには弱った姿やみっともない姿を見せたくないし、
取り繕うのは自然な反応なのかもと今は思えます。
(当時は少し腹も立っていたけど)
悪意があって自分の状況を取り繕っているわけではないので、
・実際に自分の目で見て判断する
・短時間ではわからないのでできれば数日は一緒に過ごしてみる
ということが状況把握のためには大切だったかなと
思います。