夫婦について考えさせられる Netflixドラマ『君は天国でも美しい』

金貸しをすることで細々と生計を立て、若い頃に事故で
寝たきりになってしまった夫ナクジュンを支える80歳のヘスク。
天国で若い頃の姿の夫と再会し、80歳のままの自分との年の差を
受け入れられず苦悩しますが、謎の女性ソミや、
いつの間にか深く関わることになる牧師などに出会う中で、
つらすぎて封印していた記憶や感情と向き合い、本来の自分を
取り戻していくお話です。
韓国ドラマには、生まれ変わりとか前世からの縁だとかが
よく描かれますが、そういう事ってあるだろうと
思っているので、
このドラマも面白く見ることができました。
天国の入り口には入国審査みたいなものがあって、
これから何歳の自分で生きていきたいかを決めるのですが、
夫が亡くなる少し前に
「今の君が一番美しい」と言われた事が頭にあり、
80歳の自分を選びます。
再会した夫は30代くらいに若返っていて、
周りの人もみんな若く、80歳を選んでしまったことを
少し後悔します。
これから若い時分に戻るのかと思いきやそのまま物語は続きますが、
夫はヘスクの年齢など気にする様子もなく献身的に尽くしていきます。
外見ではなく中身だけを見ているのがよく伝わってきて、
深い愛を感じました。
自分の好きな年齢の姿で暮らせるとなれば、自分は何歳を選ぶんだろう、
やはり30代半ばくらいかな。
今の自分は好きだけど、若さへの絶対的な憧れは
心の奥にあるものですね。
80歳を選んだヘスクは勇気がある。
一方で30代の夫に尽くされる80歳の妻、という構図は
少し羨ましくもありました。
天国に入る審査では、
”生きている間に結婚していた夫とまた夫婦になりたいか”、
という質問もあります。
これは考えちゃう・・。
自分ならどうするんだろう。
寿命があれば終わりがあるけれど、天国では
エンドレスで夫婦でいるというわけで・・。
その場になったら考えよう。
終盤では、ヘスクが経験した最もつらい出来事が描かれます。
つらすぎて記憶を封印し、無かったこととして生きてきましたが、
その体験を共有している夫はおそらく50年近くそのことに触れず、
へスクを見守ってきたことがわかります。
とても苦しかっただろうけれど、これも愛だなあと思います。
夫婦として長い間一緒に過ごしていると空気みたいな存在になるし、
あらためて愛情について考える機会も少なくなるけれど、
きっといろいろな形の愛がそれぞれに存在しているんだろうと
思わせてくれるドラマでした。