映画『今夜、ロマンス劇場で』
この映画、何度見たことか、というくらい気に入っています。
ベタなラブストーリーの映画はけっこう好きかも。
この映画と『ノッティングヒルの恋人』は特に好きかもしれません。
『今夜、ロマンス劇場で』は坂口健太郎さんが主演だから見ているのもあるけれど、
見るたびに泣けてカタルシスへ誘われる感じ。
レトロな時代設定も見るのも楽しい。
映画監督を志す健司(坂口健太郎)は通い詰めている映画館「ロマンス劇場」で
憧れのモノクロ映画のヒロイン、美雪(綾瀬はるか)と出会う。
スクリーンから出てきた!?モノクロの姿のままの美雪に、色とりどりの現実の世界を
案内するうちに2人は惹かれあっていく。
しかし、触れてしまうと美雪は消えてしまうという秘密があって、というストーリー。
綾瀬はるかさんがとにかく美しい。
オードリーヘップバーンを彷彿とさせるファッションスタイルもとても似合っていて、
大輪の花が咲いているような華のある佇まいにうっとりしてしまいます。
これぞ女優という感じ。
対する健司は朴訥な青年で、ひたすら美雪を愛していきます。
美雪はスクリーンから抜け出てきた当時のままで若くて美しく年をとらないのに、
健司は年を重ねていく。
時が経つにつれ、周りから見る二人の関係は、恋人から親子、祖父と孫娘というように
変わっていくわけで。
健司は年をとる哀しみを感じていただろうなと想像します。
周囲に怪しまれないように同じ場所に長い間いられなかったかもしれない。
とても好きな相手に触れられないという設定はとても切ないけれど、
60〜70年くらい前(に私には思えました)の時代設定の中で、当時の日本人は
どんな感じだったんだろうと考えると、自分を律するという感覚が今より強かったように
思えて、その時代背景の中だと少し納得できる気がします。
切ないけれど美しい映画です。